豊島区において、防犯・危機管理の高度化に向けた新たな取り組みとして、AIカメラとデータ分析を活用した実証的な検討を行いました。
従来の防犯カメラは「記録」が中心でしたが、本提案では「分析・予測・通知」までを一体化し、行政判断に活用することを目的としています。
本記事では、実証分析から得られた具体的な知見と、今後の行政施策への展開可能性について解説します。
■ 背景:防犯カメラは“見るだけ”から“活用する”時代へ
従来の防犯カメラ運用では、
・映像の確認は事後対応
・データとしての活用はほぼ無し
・現場判断は経験頼み
という課題がありました。
本提案ではこれを、
◎ 「データに基づく危機管理(EBPM)」へ転換
することを目的としています。
※交通分析においても、時間帯ごとの相関分析により「リスク時間帯」や「重点配置」が明確化できることが確認されています。
■ 提案概要:IOTカメラ × AI分析×GIS
本提案では、IoTクラウド型カメラを活用し、以下の構成で実現します。
■ システム構成
・カメラでスナップショット取得(10分間隔)
・AIで人物・車両を自動検出
・ArcGISでデータ蓄積・可視化
・異常値を自動検知し通知
■ 特徴
・動画ではなく静止画 → データ量が少ない
・クラウド管理 → 現場負担なし
・AI解析 → 人手不要
■ ① 人流・交通量の可視化

※交差点ごとの人流・交通量をリアルタイムに可視化
・15分単位で通行量を取得
・交差点ごとのランキング化
・時間帯別の変化を把握
◎ 「どこが危ないか」が定量化
実証結果では、
西口五差路交差点やとげぬき地蔵入口交差点は通行量・変動ともに高く、
都市の主要動線であることが明確に把握されました
■ ② 異常検知(ここがDXの本質)
・通常のパターンをAIが学習
・逸脱(±2σ〜3σ)を検知
・メールで即時通知
異常は「リアルタイムで検知され、即時対応が可能」
例
・急激な人流増加
・事故・イベント
・突発的混雑
実際の分析でも、
残差分布は正規分布に近く、±2σを超える値を「異常」として定義可能であることが確認されています。
◎ 異常は「予測できる現象」へ変わる
■ ③ 交差点リスクの可視化
・歩行者 × 車両の交錯リスク
・時間帯別の危険度
・優先対策地点の抽出
交差点ごとの危険な時間帯を可視化

※曜日・時間帯ごとの異常発生を可視化しています。
特に赤・紫は異常発生が多く、重点対策が必要な時間帯

時間帯によって人流・車両流のピークが異なる
「どこに人員を配置すべきか」が明確
特に、
西口五差路やとげぬき地蔵入口では
・昼間(10〜16時)
・夕方(16〜23時)
に交錯リスクが最大となることが確認されています
■ 分析から見えた重要な示唆
■ 時間帯別の特徴
・朝 → 車両ピーク(通勤)
・昼 → 歩行者増加(生活・観光)
・夕方 → 交錯リスク最大
時間帯で対策が全く違う
■ 交差点のタイプ分類
交差点ごとに危険の特性が異なることが分かります。
実証では交差点は大きく3タイプに分類されました。

① 歩行者中心(商業・観光)
② 車両中心(幹線道路)
③ 混合型(最も危険)
一律対策ではなく「タイプ別対策」が必要
■ 異常発生の特徴
・曜日・時間帯に偏りあり
・特定地点で集中
・イベントや外部要因の影響
例:
・日曜昼に混雑集中
・平日夕方にピーク
・特定曜日のみ異常発生
危険は「偶然」ではなく「パターン」
■ 行政施策への活用
本データは単なる分析ではなく、以下に直結します。
■ 交通安全
・歩車分離信号の導入
・横断歩道の最適配置
・時間帯別交通規制
■ 防犯対策
・夜間人流の把握
・カメラ配置最適化
・異常時の即時対応
■ 都市政策
・人流に基づく街づくり
・観光・イベント対策
・リソース最適配分
「感覚」から「データへ」
■ KPIで管理できる行政へ
本提案では以下をKPIとして設定可能です。
・通行量可視化率
・異常検知件数
・防犯カメラ稼働率
・通学路危険箇所数
・夜間人流把握率
成果が数値で説明できる行政へ
■ まとめ
本提案の本質は、
「カメラ」ではなく「データ活用基盤」
・見る → 分析
・分析 → 予測
・予測 → 行動
行政DXはここまで進んでいます。
そして本取り組みは、
現在は実証段階(PoC)ですが、
・交通安全
・防犯
・都市政策
すべてに展開可能な基盤として、
今後の自治体運営に大きな可能性を持っています。
本内容は、トップページで紹介している
「AIカメラ×GISによる都市分析」の実証事例です。
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本手法は、交通安全、防災、都市政策など幅広い分野に適用可能です。
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