カテゴリー: 統計分析・EBPM

統計分析やEBPM(Evidence Based Policy Making:証拠に基づく政策立案)に関する記事を掲載しています。

自治体が保有する各種データを活用し、客観的な分析による政策判断や事業評価の手法を紹介しています。

  • 窓口DXはサービス低下なのか?

    ~ 統計分析で実証したセルフ型窓口の効果 ~

    ■ 背景(課題)

    自治体窓口では以下の課題がある
    
    ・待ち時間の長さ
    ・窓口業務の属人化
    ・職員負担の増大
    
    一方で、
    
    「非対面化するとサービスが低下するのではないか」
    
    という懸念が存在している

    ■ 実施内容

    豊島区において

    ・建築
    ・道路
    ・都市計画

    の3分野を統合し、

    GISタッチパネルによるセルフ型窓口を導入

    ■ 導入効果

    • 来庁者が自ら必要情報を取得可能
    • 待ち時間の削減
    • 窓口業務の効率化
    • 職員負担の軽減

    ■ 本分析の目的

    窓口DXにおいて最も重要な問い「サービスは本当に低下していないのか?」これをアンケートデータと統計分析で検証

    ■ 結論

    • 満足度は高水準(88%)
    • 非対面化によるサービス低下は確認されず
    • 満足度を決めるのは「接遇」ではなく「DX」

    ◎ システム品質が最も重要

    ■ 満足度の決定要因

    従来の考え方:
    職員の対応(接遇)が重要

    分析結果:
    ・接遇 → 影響は小さい
    ・DX(操作性・待ち時間)→ 影響が大きい

    ◎満足度は「仕組み」で決まる

    ■ 利用者は4タイプに分かれる

    さらに分析では、利用者は以下の4タイプに分類できることが分かりました。

    ① DX推進派(約71%)
    → システムに満足している

    ② DX肯定派(約17%)
    → 便利だが改善を求める

    ③ DX消極派(約11%)
    → 仕方なく使っている

    ④ DX否定派(1%未満)
    → そもそも受け入れない

    ■ 改善の方向性

    重要なのは

    「どこに投資するか」

    分析結果より

    ・職員増員 → 効果が小さい
    ・システム改善 → 効果が大きい

    ◎ DX投資の優先順位を明確化できる

    ■ 実際の施策

    来庁者満足度を分析した結果、
    「接遇」ではなく「DX(処理スピード)」が評価を左右していることが判明

    特に図面取得時の待ち時間がボトルネックであったため、

    プロッターを2台→3台に増設し、
    待ち時間を分散

    その結果、
    DX評価が向上し、総合満足度も改善

    ■ 当社の強み

    ・自治体実務経験
    ・GIS導入実績
    ・統計分析(因子分析・回帰分析)

    ◎ 導入だけでなく
    「効果検証・改善提案」まで実施可能

    ▶ 本分析の詳細(因子分析・回帰分析・クラスタ分析)
    調査レポート(PDF)をダウンロード

  • 統計で証明する行政DX― 総合窓口のタッチパネル化は本当に効果があったのか?

    自治体DXの現場では、
    「導入したが効果が見えない」という声が多く聞かれます。

    ・窓口をデジタル化した
    ・システムを導入した
    ・業務を効率化した

    しかし――
    それが本当に“成果”なのかを説明できているでしょうか。

    本記事では、実際の自治体窓口で実施された
    統計学に基づくアンケート分析をもとに、
    行政DXの「効果を証明する方法」を解説します。

    なぜ行政DXは「評価できない」のか

    多くの自治体では、導入後の評価が次のようになりがちです。

    ・「便利になったと思う」
    ・「満足度は高い」
    ・「問題は特にない」

    ◎ これはすべて“主観”です。

    行政に求められるのは
    説明責任(EBPM:証拠に基づく政策立案)

    つまり

    ✔ 数値で説明
    ✔ 統計で裏付け
    ✔ 根拠を示す

    これが必要になります。

    本調査は一般的なアンケートとは異なり、
    以下の統計設計に基づいて実施されています。

    • 無作為抽出
    • 回収率 95%以上
    • サンプル数 約400件
    • 信頼率95%・誤差5%で設計
    • クロス集計分析
    • 統計的仮説検定(ノンパラメトリック検定)

    ここまで実施している自治体調査は極めて稀です。

    つまりこれは
    **「感想」ではなく「科学的評価」**です。

    結論①:満足度は高い(約88%)

    総合満足度は約88%と高い結果となりました。

    これは

    ・窓口の効率化
    ・セルフサービス化
    ・情報取得の迅速化

    が評価された結果といえます。

    結論②:しかし“全員が満足”ではない

    ここが非常に重要なポイントです。

    利用者を2つのグループに分けると

    ・初回利用者
    ・従来の対面窓口利用者(リピーター)

    ◎ この2つで満足度に差が出ました。

    リピーターの満足度は統計的に有意に低い

    これは偶然ではなく、
    統計的検定により「有意差あり」と証明されています。

    なぜこの差が生まれるのか

    理由は明確です。

    ・初回利用者 → 他自治体との比較
    ・リピーター → 過去の窓口と比較

    つまり

    「評価基準が違う」

    DXは「改善」でも「劣化」と評価されることがある

    これは行政DXにおいて非常に重要な視点です。

    結論③:年代では差は出ない

    よくある仮説として

    ・高齢者は使いにくい
    ・若年層は満足度が高い

    がありますが、

    ◎ 統計的には差は確認されませんでした。

    「なんとなくの仮説」は間違っている可能性がある

    結論④:最大の課題は“待ち時間”

    満足度が最も低かったのは

    待ち時間

    さらに曜日別分析では

    ・月曜・金曜 → 満足度低下
    ・水曜 → 高い

    ◎ 混雑と満足度が連動していることが確認されました。

    ここから見える行政DXの本質

    この分析から見えるポイントは以下です。

    • DXは「導入」ではなく「運用」が重要
    • ユーザー層によって評価が変わる
    • 仮説は統計で検証すべき
    • 待ち時間など“現場要因”が支配的

    統計分析ができる行政DXコンサルの価値

    多くのDX支援は

    ・ツール導入
    ・システム構築
    ・業務フロー改善

    に留まります。

    しかし本当に重要なのは
    ◎「効果を証明できること」です

    当社では以下を提供しています。

    • アンケート設計(統計前提)
    • データ収集設計
    • クロス集計・分析
    • 統計的検定
    • ダッシュボード可視化
    • EBPM対応レポート作成

    まとめ

    行政DXは「導入して終わり」ではありません。

    効果を測り、説明できて初めて意味があります。

    「なんとなく良くなった」から
    「統計的に効果があった」へ

    その一歩を支援するのが
    地域GIS研究所の役割です。

    より詳細な分析内容については、
    以下のレポートをご参照ください。

  • 【調査レポート概要】イベントの賑わいは「人数」では決まらない理由

    ◎ 本記事のポイント
    本分析では、
    AIカメラとGISを用いてイベント会場を分析した結果、

    「人が多い場所」が最も賑わっているのではなく、

    ・通行が活発
    ・滞在が発生
    ・視認性が高い

    といった「量」と「構造」の組み合わせが、
    賑わいに影響していることが分かりました。

    これは、
    自治体イベントや公共空間活用において、
    配置計画や導線設計の重要性を示しています。

    ■ イベントの賑わいは「人数」では決まらない

    本分析の対象となった実証事例

    本記事で紹介する分析は、横浜市・みなとみらい21地区で開催された
    「みなとみらい Christmas Market」における屋外イベント人流分析をもとにしています。

    本実証では、IoTカメラとAIによる人物検出、GISによる可視化、
    統計分析を組み合わせ、イベント会場における来場規模、混雑状況、通過・滞留の関係を定量的に把握しました。

    イベントの評価は、これまで「来場者数(人数)」で行われることが一般的でした。

    しかし現場では、

    ・人は多いが、賑わっていない
    ・混雑しているが、滞在されていない
    ・通過しているだけで、売上や回遊につながらない

    といった状況が発生します。

    つまり、

    「人数=賑わい」とは限らない

    という課題があります。

    本記事では、実際のイベントデータをもとに、
    賑わいを構造的に捉える分析手法を解説します。

    ■ AI×GIS分析で分かった
    イベントの賑わいは「人数」だけでは決まらない理由

    イベント会場では、同じ人数でも状況は大きく異なります。

    例えば、

    ・会場の外を通過する人が多い状態
    ・会場内部に入り、滞在・回遊している状態

    では、見た目の印象も実際の効果も全く異なります。

    重要なのは、

    「どれだけ人がいるか」ではなく
    「どのように人が動いているか」

    です。

    つまり、賑わいは「量」ではなく「構造」で決まります。

    ■ 本分析で導入した指標

    図:会場内流動性(inside_ratio)と賑わいの関係

    本分析では、賑わいは直線的に増加するのではなく、
    一定のポイントで最大となる「山型(非線形)構造」であることが確認されました。

    これは、通過と滞在が適度に混在している状態が、
    最も賑わいとして認識されることを示しています。

    ■ 最重要ポイント

    分析の結果、

    最も賑わって見える状態は、

    inside_ratio ≈ 0.44

    であることが分かりました。

    つまり、

    通行人と滞在者が適度に混在している状態

    が最も賑わいとして認識されることを意味します。

    ■ なぜこの結果が重要か

    この結果は、イベント運営の考え方を大きく変えます。

    これまでのように、

    「とにかく人を増やす」

    のではなく、

    ・滞在を促す導線設計
    ・回遊性を高める配置
    ・通過と滞在のバランス調整

    が重要であることを示しています。

    つまり、

    賑わいは「設計できる」ものです。

    ■ さらに分かったこと(信頼性)

    本分析では、他にも以下の点が確認されました。

    ・天候は来場者数に影響する(有意差あり)
    ・人流構造(内側化率)は天候に左右されにくい
    ・エリアごとに人の動き方が異なる

    これにより、

    イベントの評価を感覚ではなく、
    データで説明できる状態が実現されます。

    ■ みなとみらい21地区で実施した人流分析の概要

    本分析は、みなとみらい21地区で開催されたクリスマスマーケットを対象に、
    屋外イベントにおける賑わいを、AIカメラとGISを用いて定量的に把握したものです。

    観測期間は2025年12月15日から12月25日までの11日間、
    観測時間は各日11:00から21:30までとし、
    会場内外に設置した5台の可動式IoTカメラを用いてデータを取得しました。

    上図の5台のカメラには、それぞれ異なる役割を持たせています。

    ・F1:会場内側導線の通過量を把握
    ・F2:会場外縁部の通過量を把握
    ・C1、C2、C3:会場内部の賑わい・滞留状況を把握

    このように、入口や外縁部を通る人の流れと、
    会場内で滞在・回遊する人の状況を分けて観測することで、
    単なる人数計測では把握できない
    「イベント空間の使われ方」を分析しました。

    ■ 毎分スナップショットとAI解析による観測方式

    本実証では、各カメラから毎分スナップショット画像を取得し、
    AIによる人物検出を行いました。

    取得したデータは、5分単位および15分単位で集計し、
    ArcGISを用いたマップ・ダッシュボード上で可視化しました。

    この仕組みにより、

    ・時間帯ごとの賑わいの変化
    ・会場内のエリア別の混雑傾向
    ・外縁を通過する人と内部へ入る人の構造
    ・曜日や天候による違い

    を継続的に把握できます。

    また、本分析では個人を特定する追跡は行わず、
    静止画像から人数と空間的な集積状況を把握する方式としました。
    公共空間でのイベント評価において、
    プライバシーに配慮しながら運営改善に必要なデータを取得する方法です。

    ■ 人数ではなく「量」と「構造」で賑わいを見る

    本分析では、イベントの賑わいを次の2つの視点から評価しました。

    賑わい量

    C1、C2、C3の3つの賑わい観測エリアで検出された人数を集計し、
    会場内部にどの程度人が集まっていたかを把握する指標です。

    この値は、ユニーク来場者数ではなく、
    特定エリアにおける人の集積や滞留の厚みを示します。

    内側化率(inside_ratio)※会場内への流入割合

    会場外縁部を通る人流に対して、
    どの程度の人が会場内部の導線へ入り込んでいるかを示す構造指標です。

    inside_ratio = F1 ÷(F1 + F2)

    この指標により、
    外縁部を通過するだけの人が多い状態と、
    会場内部に入り、滞在・回遊する人が多い状態を区別できます。

    つまり、イベントの賑わいは
    「どれだけ人がいたか」という量だけでなく、
    「人がどのように会場を利用していたか」という構造とあわせて
    評価することが重要です。

    ■ 11日間の観測で確認された主な結果

    1. 内部滞在が強い日ほど、賑わい規模も大きい傾向

    11日間の日別データを分析した結果、
    内側化率が高い日ほど推定延べ入場者数も多くなる傾向が確認されました。

    両者の間には中程度の正の相関
    (相関係数 r = 0.62)が認められています。

    これは、単に会場周辺を通る人を増やすだけでなく、
    来場者が内部へ入り、滞在・回遊しやすい空間をつくることが、
    イベントの賑わい形成に関係することを示唆しています。

    2. 平日と休日では、賑わう時間帯が異なる

    休日は、平日に比べて日中から夕方にかけて
    会場内部の賑わい量が高くなる傾向が確認されました。

    一方、18時以降は休日の減少幅が比較的大きく、
    休日は日中から夕方に来場が集中し、
    夜間は早い時間帯から減少する行動特性が見られました。

    この結果は、スタッフ配置や誘導計画を
    曜日・時間帯別に検討する必要性を示しています。

    3. 雨天時には賑わい量が有意に低下

    降雨時と非降雨時の賑わい量を比較した結果、
    Wilcoxon順位和検定において
    統計的に有意な差が確認されました(p = 0.0004)。

    降雨は、会場内部に集まる人の規模を低下させる要因として
    明確に確認されました。

    一方、内側化率については、
    降雨時と非降雨時で統計的に有意な差は確認されませんでした。

    この結果から、来場規模は天候に影響を受ける一方で、
    内部へ入り込む人流構造は、
    賑わい量とは別の視点で評価する必要があることが分かります。

    ■ GISで明らかになったエリアごとの役割

    会場内部のC1、C2、C3を比較した結果、
    各エリアには異なる賑わい特性があることが確認されました。

    C1とC2は強い相関を示し、
    会場内の主要な賑わい変化をほぼ同時に捉えるエリアでした。

    一方、C3はC1・C2に対して15分から30分程度遅れて
    賑わいが高まる傾向が確認されました。

    これは、主動線を通過した来場者が、
    時間差を伴って別の場所に滞留する構造を示しています。

    また、時間帯別に見ると、

    ・平日はC2が安定した主動線的エリア
    ・休日の夕方以降はC3で賑わいが集中しやすい
    ・C1は全体人流の分散に関係する補助的エリア

    という特徴が確認されました。

    このような違いは、会場全体の人数だけでは把握できません。
    GIS上で場所と時間を重ねて確認することで、
    重点的に監視・誘導すべき場所を
    曜日や時間帯に応じて検討できるようになります。

    ■ 可視化情報は来場者向け情報提供にも活用可能

    本実証では、AI解析により取得した賑わいデータを
    ArcGISによる「にぎわい度MAP」として可視化しました。

    にぎわい度MAPの閲覧数と推定延べ入場者数の関係を分析した結果、
    両者の間には中程度の正の相関
    (相関係数 r = 0.43)が確認されました。

    閲覧数だけで来場行動を説明することはできませんが、
    混雑や賑わいの可視化情報が、
    来訪者への情報提供手段として一定の可能性を持つことが示されました。

    今後、Webサイト、SNS、現地サイネージなどと連携することで、
    混雑回避や回遊促進、来場判断支援への展開も考えられます。

    ■ 実証データの信頼性と利用上の留意点

    本分析では、観測開始後の2日間についてデータ欠損状況を確認しました。

    ・総レコード数:6,310件
    ・欠損レコード数:470件
    ・欠損率:7.45%

    欠損は特定のカメラだけで発生したものではなく、
    API取得側の一時的な影響によるものと整理されています。

    本分析は瞬間的な人数の断定ではなく、
    5分単位・15分単位での傾向把握や相対比較を重視しているため、
    日別・時間帯別の傾向解釈への影響は限定的と評価されました。

    なお、本分析で扱う賑わい量や推定延べ入場者数は、
    個人を識別して厳密な実来場者数を集計したものではありません。
    イベント運営、安全管理、空間改善の判断材料として、
    人流の変化と構造を説明可能にするための指標です。

    ■ 行政にとっての価値

    本分析は、
    イベント評価だけでなく、

    ・回遊性の改善
    ・滞留空間の設計
    ・公共空間活用

    にも応用可能です。

    特に自治体においては、

    ◎ 説明責任(EBPM)

    を果たすうえで重要な基盤となります。

    ■ まとめ

    みなとみらい21地区のクリスマスマーケットにおける本実証では、
    5台のIoTカメラ、AI人物検出、GIS可視化、統計分析を組み合わせ、11日間にわたってイベント空間の賑わい構造を分析しました。

    その結果、イベント評価では、単なる人数の多さだけでなく、

    ・会場内部へ人が入り込んでいるか
    ・どの場所に滞在が生じているか
    ・曜日や時間帯によって混雑構造がどう変化するか
    ・天候によって来場規模がどう変わるか

    をあわせて把握することが重要であると確認されました。

    特に、内側化率と賑わい量を組み合わせることで、
    「人は多いが通過中心の状態」と
    「内部で滞在・回遊が生まれている状態」を
    区別して説明できるようになります。

    また、GISによる可視化により、
    平日と休日で重点的に確認すべきエリアや時間帯が異なることも
    運営判断に活用できる形で整理されました。

    AIカメラとGISを活用した人流分析は、
    イベントの効果検証だけでなく、
    誘導計画、安全対策、公共空間の改善、
    次年度イベント設計の根拠づくりにも展開可能です。

    ▶ AI×GISによるイベント分析レポートをダウンロード

  • 自治体イベント市場の規模は?2〜3億円と試算した理由【データ分析】

    なぜ自治体イベントの市場規模を出す必要があるのか

    自治体向けの提案において、必ず問われるのが「市場規模」です。

    ・なぜこの分野に取り組むのか
    ・どれくらいの案件が見込めるのか
    ・どの程度の売上になるのか

    しかし実際には、自治体イベント市場については明確な統計が存在せず、多くの場合、

    「感覚」や「過去事例」

    に基づいて説明されているのが実態です。

    本記事では、自治体公式Webサイトのデータをもとに、市場規模を定量的に試算した結果を公開します。

    なぜ自治体イベントにデータ分析が必要なのか

    自治体イベントは、観光振興や地域活性化、防災訓練など多くの目的を持つ重要な施策です。

    しかし現場では、

    ・来場者数が正確に把握できない
    ・混雑状況が分からない
    ・施策の効果を説明できない

    といった課題が多く存在します。

    その結果、

    ◎ 「イベントを実施した」という事実はあっても
    ◎ 「どれだけ効果があったか」は分からない

    状態になっています。

    データ分析によって何が変わるのか

    イベントにおいて人流データを取得・分析することで、以下が可能になります。

    ・来場者数の定量把握
    ・時間帯別の混雑状況の可視化
    ・導線や滞留の分析
    ・施策効果の説明(EBPM)

    これにより、

    ◎ 感覚ではなくデータに基づく評価

    が可能になります。

    市場規模はどのように算出したのか

    本記事で示す市場規模は、こうした「イベントの効果を可視化するためのデータ分析サービス」が、どの程度の広がりを持つかを示したものです。
    今回の試算は、以下のステップで行っています。

    ① 自治体公式サイトからイベント情報を取得
    ② イベント関連語彙の出現回数をカウント
    ③ 出現回数をイベント開催回数に変換
    ④ 1イベントあたりの単価を設定
    ⑤ 売上として積み上げ

    ポイントは、「実データを起点にしている」点です。

    単なるアンケートや推定ではなく、公開情報をもとに再現可能な形で構築しています。

    イベント回数への変換ロジック

    イベント語彙の出現回数は、そのままでは売上に直結しません。

    理由は、

    ・同じイベントが複数ページに掲載される
    ・告知・報告などで重複する
    ・単語数=開催回数ではない

    ためです。

    そこで、営業現場で説明可能なルールとして、以下の変換を採用しました。

    ■ 1〜9回 → 年1回
    ■ 10〜20回 → 年2回
    ■ 21回以上 → 年3回

    このルールは、

    ・過大評価を避ける
    ・営業説明がしやすい
    ・初年度導入の現実性

    を考慮して設計しています。

    なぜ「最大3回」に設定したのか

    実際には、大都市では年間10回以上のイベントが存在します。

    しかし本試算では、

    ・人員体制
    ・自治体の予算制約
    ・初年度導入のハードル

    を考慮し、

    ◎ 1自治体あたり最大3回

    に制限しています。

    これは「理論最大」ではなく、

    ◎ 実際に取りに行ける現実的な上限

    を示しています。

    人口を掛け算しない理由

    市場規模を算出する際に、よくあるのが「人口×単価」という考え方です。

    しかし本分析では、この方法は採用していません。

    理由は明確です。

    ・人口が多くてもイベントが少ない自治体がある
    ・人口が少なくてもイベントが活発な自治体がある

    そのため人口は、

    ◎ 市場規模ではなく「優先順位」

    として使用しています。

    これにより、営業現場で使いやすいモデルになっています。

    市場規模は2〜3億円と試算

    上記のロジックに基づき、関東・中部・関西の自治体を対象に試算した結果、

    ◎ 約2〜3億円規模

    と算出されました。

    この数値は、

    ・初年度導入
    ・実証中心
    ・限定エリア

    という前提に基づいた、保守的な試算です。

    つまり、

    ◎ 現実的に取りに行ける市場

    を示しています。

    この分析が自治体DXに与える意味

    この市場分析は、単なる売上試算ではありません。

    ・どの自治体にアプローチすべきか
    ・どの規模で提案すべきか
    ・どの分野で展開できるか

    といった、営業戦略そのものに直結します。

    また、

    ・人流データ
    ・イベント分析
    ・可視化

    といったデータ活用は、自治体DXの中核になります。

    つまり本分析は、

    ◎ 市場分析 × DX戦略

    をつなぐ基盤となります。

    自治体イベント市場は、これまで感覚的に捉えられてきました。

    しかし、

    ・Webデータ
    ・イベント語彙
    ・人口情報

    を組み合わせることで、

    ◎ 定量的に説明可能な市場

    へと変わります。

    地域GIS研究所では、このようなデータ分析をもとに、自治体DXの支援を行っています。

    自治体DXコンサルティングについて詳しくはこちら